日米REITの投資信託を購入する前に、注意したい点や確認したいポイントを書いていきます。
※ この記事は、今後の運用成果等を保証するものではありません。
目次
- データについて
- 注意事項
- はじめに
- 1.収益がマイナスの年もある
- 2.他にも収益の高い商品がある
- 3.株式の損失をカバーできない時がある
- 4.流動性リスクが大きい
- 5.信託財産留保額
- 6.信託報酬が高い
- 7.情報が少ない
- 最後に
データについて
今回の記事では、個人的にも人気が高いと思っている、以下の投資信託のデータを使用させて頂きます。
略称 | リンク |
---|---|
US-REIT | ダイワ・US-REIT・オープン(年1回決算型)ヘッジ無 |
J-REIT | 三井住友 J-REITインデックス・オープン |
※ 略称は当記事に限るものです。
どちらも、2024年からのNISA(成長投資枠)で購入できる商品です。
注意事項
上記の商品は設定来のリターンがプラスで、REITを否定する意図はありません。
また、今回の記事は、REITとインデックスファンドの比較が多くなります。
はじめに
私自身も日米REITの投資信託を購入したことがあり、当時を振り返って記事を書くことにしました。
REITを購入する前に、注意したかった点は以下の通りです。
- 収益がマイナスの年もある
- 他にも収益の高い商品がある
- 株式の損失をカバーできない時がある
- 流動性リスクが大きい
- 信託財産留保額
- 信託報酬が高い
- 情報が少ない
以下に詳細を記載していきます。
1. 収益がマイナスの年もある
先ほど紹介させて頂いた投資信託ですが、目論見書に記載されている年間収益率は以下の通りです。
年 | US-REIT | J-REIT |
---|---|---|
2022 | -10.6% | -5.21% |
2021 | 57.9% | 19.54% |
2020 | -9.8% | -13.81% |
2019 | 24.4% | 25.12% |
2018 | -6.0% | 10.79% |
2017 | 1.7% | -7.14 |
2016 | -0.9% | 9.51% |
2015 | 3.4% | -5.17% |
2014 | 50.3% | 29.23% |
2014年~2022年の9年だと、5回がプラス、4回がマイナスです。
例えば、2022年の年初に100万円投資していたら、年末時点は以下の損失になります。
「リートは平均年率〇%」という表記を見かけますが、投資信託の場合はある程度の保有期間が必要になるのかと思います。
2. 他にも収益の高い商品がある
2014年~2022年の9年だと、インデックスファンドの収益も高いです。
年間収益率から計算したトータルリターンと、年率(幾何平均)は以下の通りです。
商品 | 総収益 | 年率 |
---|---|---|
US-REIT | 133.2% | 9.9% |
J-REIT | 68.71% | 5.98% |
S&P500 | 198.64% | 12.93% |
NASDAQ100 | 300.58% | 16.67% |
NASDAQ100とS&P500は、国内投資信託のデータになります。詳細は、こちら を参照して頂ければと思います。
3. 株式の損失をカバーできない時がある
分散効果を狙って、株式とリートに投資する場合もあると思います。しかし、直近の2022年は、どちらもマイナスになりました。
S&P500 | NASDAQ100 | US-REIT | J-REIT |
---|---|---|---|
-6.1% | -23.2% | -10.6% | -5.21% |
また、リーマンショックの際は、株式もリートも以下の通り下落しました。
S&P500 | S&P米国リート | S&P日本リート |
---|---|---|
-48% | -64% | -57% |
※ 円ベースになります。
詳細は、以下の資料を参照して頂ければと思います。
コロナショックとリーマンショックの⽐較 - 三井住友DSアセットマネジメント
4. 流動性リスクが大きい
リーマンショックの際は、リートのほうが下落率が高くなっています。
暴落時や急落時は、買いたい人が少なくなり、売りたい人が多くなります。買いたい人が少ない商品は、安く売り出されることが多くなると思います。
例えば、一般的なお店でも、売れ残った商品は「20%OFF」や「50%OFF」になることがあります。
リートは株式より市場規模が小さく、そもそもの売り手と買い手(≒取引量)が少ないです。そのため、上記の傾向が強くなると言われています。
「流動性リスクが大きい」と表現されることが多く、以下のリンク先に詳細をまとめています。
5. 信託財産留保額
商品に信託財産留保額が設定されている場合、投資信託を解約する際に費用が発生します。
信託財産留保額は、投資信託を保有し続ける人に迷惑がかからないようにするための費用なので、一概に悪いとは言えません。
今回紹介させて頂いた商品の設定は以下の通りです。
S&P500 | NASDAQ100 | US-REIT | J-REIT |
---|---|---|---|
なし | なし | なし | 0.05% |
J-REITの商品は、設定されているものが比較的多いと感じています。
6. 信託報酬が高い
信託報酬は、投資信託を保有していると自動的に引かれるので、意識しないと気付きにくい点かもしれません。
今回の商品の信託報酬は以下の通りです。
S&P500 | NASDAQ100 | US-REIT | J-REIT |
---|---|---|---|
0.09372%以内 | 0.44%以内 | 1.606% | 0.44% |
最近は、信託報酬の低いインデックスファンドが増えてきました。そういった商品と比べると、REITの商品は信託報酬が高いと感じることがあります。
7. 情報が少ない
REITを保有して感じたのは、ニュースやSNS(動画サイトやブログ等)での情報が少ないという点です。
あくまで体感ですが、日本語版のBloombergやSNSだと、S&P500やNASDAQ100が多いと感じています。
日本の大手メディアだと、日経平均やTOPIX、ダウ平均の話が多い気がします。
最後に
長くなりましたが、ここまで読んで頂きありがとうございます。
あくまで私個人の目線で書いているのと、株式だけで運用できないケースもあるのかと考えています。