インデックス投資ブログ

NASDAQ100とS&P500の投資信託を購入して、原則売らない長期投資をしています。

全世界株式 オルカンは安全なのか?(S&P500との比較)

全世界株式のオルカンは本当に安全なのか、過去の実績を検証してみました。

また、収益性、GDPなどの経済面、今後のことも記載しています。

目次

  1. 安全性について
  2. 結論
  3. 元本割れの回数
  4. 元本割れの確率
  5. オルカンの構成比率
  6. 米国以外のETF
  7. 米国以外の安全性
  8. 収益性
  9. GDPオルカン
  10. GDPと株式指数
  11. 何を重視するか?
  12. 何を購入しているか?
  13. 注意事項
  14. 計算方法

1. 安全性について

今回の記事では、安全性を元本割れの確率で評価します。

一般的な安全性の定義は以下の通りです。

投資した元本や利子の支払いの確実性を表す要素。

日本証券業協会の用語集 からの引用

2. 結論

オルカンは、長く保有すれば元本割れがなくなる安全な商品だと言えます。

しかし、過去15年間を1年単位で見ていくと、S&P500やNASDAQ100よりも元本割れの確率が高かったです。

3. 元本割れの回数

以下の表は、ETFの年間収益率から作成したものです。増収の年と減収の年を回数で表しています。

ETF 連動指数 増収の年 減収の年
ACWI MSCI オルカン 11回 4回
SPY S&P500 13回 2回
QQQ NASDAQ100 13回 2回

※ 2009年~2023年の15年間
※ 海外版 Yahoo Finance の Annual Total Return を参照

4. 元本割れの確率

減収の年を元本割れ1回とすると、元本割れの確率は以下の通りです。

確率
オルカン 約26.67%
S&P500 約13.33%
NASDAQ100 約13.33%

引き続き、オルカンを構成する国の指数も見ていきたいと思います。

5. オルカンの構成比率

オルカンの構成比率ですが、上位6カ国は以下の通りです。

比率
1 アメリ 62.42%
2 日本 5.39%
3 イギリス 3.54%
4 フランス 2.87%
4 カナダ 2.87%
6 中国 2.76%

ACWI の Fact Sheet を参照(2023年12月31日時点)

6. 米国以外のETF

以下の表は、MSCIの指数に連動するETFから作成したものです。米国以外の構成比率上位が対象です。

ETF 連動指数 増収の年 減収の年
EWJ MSCI 日本 9回 3回
EWU MSCI 6回 6回
EWQ MSCI 9回 3回
EWC MSCI カナダ 9回 3回
MCHI MSCI 中国 6回 6回

※ 期間は2012年~2023年の12年間
※ 海外版 Yahoo Finance の Annual Total Return を参照

7. 米国以外の安全性

米国以外の国に連動するETFは、過去12年間で元本割れが3回か6回です。そのため、15年間で元本割れ2回のS&P500よりも安全性が低かったと言えます。

※ 全ETFの実績がある過去12年間を対象としました。

8. 収益性

ETFの総収益と年率は以下の通りです。MSCIの指数ですが、オルカンを超えるものはありませんでした。

ETF 連動指数 総収益 年率
QQQ NASDAQ100 720.73% 19.17%
SPY S&P500 373.61% 13.84%
ACWI MSCI オルカン 209.97% 9.89%
EWJ MSCI 日本 113.14% 6.51%
EWU MSCI 65.62% 4.29%
EWQ MSCI 176.26% 8.84%
EWC MSCI カナダ 79.12% 4.98%
MCHI MSCI 中国 28.51% 2.11%

※ 年率は総収益の幾何平均
※ 期間は2012年~2023年の12年間
※ 海外版 Yahoo Finance の Annual Total Return から計算

9. GDPオルカン

以下の表は、IMF世界経済見通しによるGDP(2023年10月発表・ドルベース)とオルカンの構成比率です。

2024年名目GDP 構成比率
アメリ 約27.97兆ドル 62.42%
中国 約18.56兆ドル 2.76%
ドイツ 約4.7兆ドル 2.07%
日本 約4.29兆ドル 5.39%
インド 約4.11兆ドル 1.75%
約3.59兆ドル 3.54%
約3.18兆ドル 2.87%
カナダ 約2.24兆ドル 2.87%

中国やドイツのGDPは日本より上ですが、オルカンの構成比率は日本のほうが高いです。インドのGDPも高いですが、オルカンの構成比率は2%未満です。

なので、これから経済的に成長していく国も、オルカンにどこまで影響を与えるか分からない気がしています。

10. GDPと株式指数

また、GDPだけでは、その国の株式指数のパフォーマンスが高いは分かりません。

日本のGDPアメリカより低いですが、2024年3月27日時点の年初来だと、日経平均がS&P500を上回っています。

経済的な面と株式指数の収益については、分からないことが多いと感じています。

11. 何を重視するか?

人によって考えは異なると思いますが、私は過去のデータを重視するようにしています。

12. 何を購入しているか?

私は、S&P500とNASDAQ100の投資信託を購入しています。

地域を米国に絞ったほうが、金利や為替も限定されるのが嬉しいです。ただ、円高になるとパフォーマンスは下がると思います。

※ 今後も絶対にS&P500とNASDAQ100だけを買う、という方針ではありません。

13. 注意事項

  • 為替は考慮できていません。
  • 今後の運用成果を保証するものではありません。
  • 2024年3月27日までのデータを元に記事を作成しました。

14. 計算方法

総収益は、年間収益率の複利で計算しました。

総収益 = (1 + 年間収益率1) × (1 + 年間収益率2) × ... - 1

※ 配当金は考慮できていません。

参考文献

IMF世界経済見通しによるGDP